講義の概要と目的
このプログラムで学んだことを正しく活かす。そのために必要なのは知識でも戦略でも人材もなく思想である。今我々が価値であるとおもっていることは、それを価値とおもう精神があるからであり、脳科学だけでなく、AI、ビックデータ、量子コンピュータを学ぼうという心もまた、我々の精神が価値と認めたゆえだ。であるなら、残念ながらその価値は時代に移ろうことも認められよう。しかし、いつの世も我々(または会社)の目指すところが幸福であることには変わりない。では、その幸福とは何か。それを知らずしてそれを求めることはできない。学問(=哲学)の見地からこのプログラムを振り返ることで、得た知識を正しく活かすことを学ぶ。
この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか
何かを学ぶとは自分を知るということ。自分を知るということは自分が変わるということ。自分が変わるということは世界が変わるということ。世界を変えるなどあまりにたやすい。特に新規事業創出の方で、短期ではなく長期で安定的なものを求めたい場合は、思想性や文明論は不可欠だろう。
講師プロフィール
経歴
1996年立命館大学理工学部機械工学科卒業後、2001年同大学大学院博士後期課程を修了。大学院在籍中の2000年カナダMcMaster大学にて訪問研究生として滞在。後、立命館大学理工学部研究員、九州大学応用力学研究所助手、2005年京都大学ナノメディシン融合教育ユニット特任講師、2010年京都大学産官学連携本部特定研究員、2011年より現職。その間、2011年4月~2014年9月まで総長学事補佐、加えて、2011年10月~2014年9月まで文部科学省研究振興局基礎基盤研究課参事官付(ナノテクノロジー・材料担当)学術調査官を兼任。博士(工学)。受賞歴:1997年南部陽一郎研究奨励賞、2000年カナダ金属物理学会ベストポスター賞、2001年日本金属学会論文賞、2008年日本金属学会若手論文賞、他多数。専門分野:大学にまつわる政策を軸とした学問論、大学論。異分野融合の理論と実践。(かつての専門:金属組織学、ナノテクノロジー、医工学)趣味:カメラ
著書
『学生・研究者のための使える!パワポスライドデザイン伝わるプレゼン1つの原理と3つの技術』化学同人(2009年)、『学生・研究者のための伝わる! 学会ポスターのデザイン術』化学同人(2011年)、『研究発表のためのスライドデザイン』講談社ブルーバックス(2013)、『研究を深める5つの問い』講談社ブルーバックス(2015)、『異分野融合、実践と思想のあいだ』ユニオンエー社 (2016)など、『学問からの手紙〜時代に流されない思考』小学館(2019年)など。