資源・エネルギーの問題 | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

資源・エネルギーの問題

資源・エネルギー問題の本質

櫻井 繁樹 SAKURAI Shigeki
京都大学大学院総合生存学館(思修館)教授

講義概要

人類社会の進化発展とともに、資源・エネルギー問題を取り巻く環境は、地球環境問題への関心の高まりとも相まって一段とその複雑化の様相を呈している。またその一方で、現在地球の抱える人口は70億人を突破し、このうち電気へのアクセスが出来ない人々はアフリカの発展途上国において6割弱を占めているという現実がある。
このような中で、人類社会が如何に豊かな生活を享受しサバイブしていくかを、そもそもの資源・エネルギーの生い立ち・本性をベースに、さらには先進国、新興国、途上国の関連政策・戦略等にも言及し、中長期視点からこの問題に対する解のヒントを得る。また、この解に向けての具体的なプロジェクト提案も試み、内外を問わない産学官連携、先進R&Dの視点、技術力・経済協力等国際的枠組みも踏まえてグローバルベースでの協働スキームにつき言及する。

世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

本授業を通じて、資源・エネルギー問題における「基盤(ベース)としての資源確保」、「フローとしてのエネルギーづくり」、「サイクルとしてのものづくり」及び「インキュベーターとしての社会づくり」の4つのエレメントから構成されるコア・コンセプトのもと同問題の本質に迫ることにより、中長期的に人類社会、特に2100年には全世界のエネルギー消費の8割を占めるであろうといわれている新興国、発展途上国等の経済社会の健全な発展にあたって、どのような成長パスが全地球的なサバイバビリティの観点から望ましいのかとの思索に資するものとする。 またこれにより、様々なビジネス、国際機関、政府関連機関に係るキーパーソンの方々に対して、自身が担うべき役割を改めて認識して頂く(変革するは我に有り)とともに、日々の事業実施において、その時々の地球環境問題、エネルギー安定確保問題、原子力エネルギー問題、再生可能エネルギーの導入促進等に関わる表層的な議論に紛らわされることなく、これを本質的にとらえる目を養って頂くものである。

講師プロフィール

経歴

1978年京都大学工学部資源工学科卒業。1980年京都大学大学院工学研究科資源工学専攻修士課程修了(工学修士)。同年、通商産業省(現経済産業省)入省。その後、資源エネルギー庁鉱業課、工業技術院ムーンライト計画推進室、外務省(在クウェイト日本国大使館)、日本メタル経済研究所企画業務課長、金属鉱業事業団豪州事務所長、石炭・新エネルギー部産炭地域振興室長、経済産業省技術協力課長、資源エネルギー庁資源・燃料部石炭課長、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)石油・天然ガス開発プロジェクト企画部長、文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当)等資源エネルギーを中心とする政策立案・施策実施部署を経て2008年に退官。(財)石炭エネルギーセンター専務理事の後、2013年より現職。この間、2009年から九州大学炭素資源国際教育研究センター客員教授、2010年から京都大学産官学連携本部フェロー、2012年から新エネルギー財団評議委員を務めるとともに、2002年にはオーストラリア ニューサウスウェールズ大学(The University of New South Wales)博士課程資源工学専攻(School of Mining Engineering)単位取得後修了、同時にPh.D.取得(資源工学)。主な研究分野は、地球環境問題及びR&Dも含めた包括的な資源エネルギー政策。

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