加速するフードテックの潮流
テクノロジーとの融合で食の社会課題解決を目指す

2022.2.12.Sat. 13:10-14:40

㈱東レ経営研究所 産業経済調査部 研究員

川野茉莉子

講義の概要と目的

近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の波は農業や食の領域へも押し寄せている。生産、加工、物流、小売り・外食、調理、そして廃棄物管理に至る食のサプライチェーンにおいて、AIやIoT、ロボット、バイオテクノロジーなどの技術が融合することで生み出されるイノベーションを「フードテック(食×テクノロジー)」と総称する。具体的には3Dフードプリンタ―、調理ロボットなど関連技術は多岐にわたり、中でも近年注目を集めているのが植物肉や培養肉、昆虫食などの代替タンパク質開発である。講義では、フードテックが世界で加速する背景と代替タンパク質を中心とするフードテックの動向について紹介する。

この研究が世の中をどのように変えるのか、どんなインパクトがあるのか

フードテックは、将来的な世界人口の増加に伴う食糧不足や飢餓問題、先進国を中心とするフードロスの増加、食の安全、人材不足、気候変動、非接触ニーズといった社会課題の解決に資するものとして期待されている。さらには菜食主義者の増加といった食に対する価値観の変化や、消費者の健康意識の高まりを受け、植物性代替タンパク質や完全栄養食、個人の嗜好や健康データに基づいた食のパーソナライズ化など、食を通じたウェルビーイング実現への貢献も期待されている。また、国内では20年に農林水産省や民間企業などによる「フードテック官民協議会」が発足し、政府も支援を本格化させる方針であり、フードテックは今後の日本の成長産業としても注目されている。

講師プロフィール

2008年京都大学大学院農学研究科修了後、東レ株式会社入社。2015年東レ経営研究所へ出向、現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。
調査・専門分野はフードテック、サーキュラーエコノミー、サステナビリティ。
主なレポートに「フードテックが生み出すバイオエコノミーの新潮流」「加速する食のDX:フードテック~3Dフードプリンタ―が変える食の未来~」「期待が集まるスマート農業の新展開~増加する企業の農業参入とビジネス展望~」「サーキュラー・エコノミー時代のビジネス戦略」「サーキュラーエコノミーの名の下、変革を迫られるプラスチック業界」。

Day12022.2.4 Fri.
人類にとっての食

Day22022.2.5 Sat.
食の安全保障 食と農のテクノロジー1

Day32022.2.12 Sat.
食と農のテクノロジー2

Day42022.2.13 Sun.
食と農の未来

Day52022.4.9 Sat.

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