2023年7月1日
金融機関 営業
粟野:一番印象に残った講義を教えていただけますか。
受講生: 1つに絞るのは難しいのですが、選ぶとすると、山極壽一先生の講義です。
これからの社会を考えるうえで重要となる「人間社会とは」という本質的な部分を学ぶことができました。人間は本来、利他的で、共助や共感、分かち合うところから集団が生まれた、しかし科学技術が個人の満足や欲求、欲望を次第に拡大させたという内容でした。講義の中で印象に残ったことは、現代社会では、巨大且つ強靭な制度を作ろうと、そのシステム構築に皆がこぞって投資をしていますが、人の未来を考える時、あくまでもそのシステムの先に人はいない、ということです。リーマンショックの時もそうでしたが、その仕組みが一度ころっと崩れると、社会全体が一気に崩れていきます。私は金融機関に勤務しておりますので、日々、社会システムや制度について考える機会が多くありますが、人間の公助をシステムに組み入れる、血の通ったシステムを構築することが大切だと気づきました。
粟野:他の講義にも繋がるようなお話でしたね。ELPプログラム全体の印象はいかがでしょうか。
受講生:様々な分野、自分では手に取らないような分野を全体的に学べることが非常に大きかったと思います。自分自身では物事の全体を俯瞰することで総合的に考えられていると思っていましたが、実は、私の考える総合や全体というのは、あくまでも自身で捉えられる範囲の狭い領域なのだと感じました。先生方の講義もそうですし、色々な世代の受講生の意見を聞く中で、その気づきを得られたことが非常に良かったと思っています。
粟野:ご自身のお仕事、これからのキャリアにELPの学びをどのように活かせるでしょうか。
受講生:受講して間もない頃は、所属している会社に学んだことを還元したいという気持ちが強くあったのですが、より根本的な、社会的な価値といった視点が身についたことで、個人としても社会に還元していきたいと思っています。社内で方向性を決めてくときにも、今までは現時点からの未来志向で、10年後、20年後のことを考えていたのですが、より根本的で本質的な部分、過去の歴史や企業が築いてきた文化などをしっかり捉えた上で、未来を見据えていかなければならないと感じました。今後、会社全体の戦略に係る仕事をしたいと考えている中で、その視点に気づけたことが非常に良かったと思ってます。
粟野:長期的な未来に繋がっていく学びですね。ありがとうございます。最後に、これから参加される方にメッセージをお願いします。
受講生:私は、自分を壊すということをテーマに参加しました。私は当初20代という若い世代ではありますが、ある程度、物の見方はできているなと自身では思っていました。ELPでの学びを通して、それが全くもって狭い範囲であったと気づかされました。自分の考えが出来上がっていると思う方ほど、ELPではそれを崩すことができるので、非常に良いと思います。自身より上の世代、それも様々な業界で活躍されている方々と楽しく、そして熱く交流することで、様々な考え方を学ぶことができますので、若い世代の方にとって多くを吸収し大きく羽ばたける唯一無二の環境です。