2022年12月3日
通信会社 部門長
粟野 特に印象に残った講義を教えてください。
受講生 2つあります。まずは宮野公樹先生の最初のオリエンテーションです。お恥ずかしいことに、ELPの「リーダーシップ」プログラムという側面と、リベラルアーツで様々な専門分野を学ぶという側面のつながりが理解できないまま初日を迎えました。リーダーが様々な日本の教養を知っておくという事は表層的な側面に過ぎず、「教養を学び考え抜くことで、自分を知る。この過程にリーダーとしての覚悟や本質がある」ということをオリエンテーションで教えていただき、学びの構えができました。この講義が最初になければ、浅い考え方のまま過ごす事になったかもしれません。
もうひとつは、自分の使命や人生として専門の道を選ばれた先生方の講義です。具体的には益田玲爾先生や田村恵子先生の講義で、生き様そのものを感じました。ぶれない確固たる軸を持っている先生方の生の声を、対面で直接聴かせていただく体験は、本当に貴重なひとときです。人間としての覚悟や器の大きさが、迫力として肌で感じられたことが私自身大きな学びになりました。
粟野 ありがとうございます。それでは、ELP全体の印象はいかがでしょうか。
受講生 ちょっと変な言い方ですが、かなり怖いというか難しいプログラムだなという印象です。表面的な知識だけを得られて満足することもあるし、もう少し踏み込んで生き様に触れられる部分もあるし、もっと踏み込んでそれぞれの専門を跨ぐ本質に触れることもできる。プログラム自体に奥行きがあり、参加される方のこれまでのキャリア、人生、年齢などの多様性が合わさって、様々な一期一会の学びの体験が生まれていたと感じます。偶然の出会いや組み合わせが、プログラムの設計以上に大きな価値を作っていました。先生からの一方的な講義だけでなく、先生や参加者とのインタラクティブな議論を通した気づきがどんどん学びを深くしてくれていました。逆説的に言えば、受動的な態度で臨んでしまうと表面的に終わってしまう可能性もあり、プログラムを提供する側も受講する側の双方が能動的に取り組み、お互いに産み出す努力をする必要があるプログラムだと思います。
粟野 ELPで学んだことをご自身のキャリアや人生にどのように活かすことができるでしょうか。
受講生 リーダーになろうとする人は、他の人には見えていない未来を覚悟を持って進んで行く必要があります。自らのビジョンを語り、変革を起こし、一定の方向に他の方々を巻き込みリードしていく。どんな組織や会社でも、基本的にリーダーの役割はここに集約されると思います。ELPではこうしたリーダーシップを高めるために、3つの学びがあると思っています。
まずは未来を見るために役立つ、幅広い視野や視点、歴史の深さを学ぶことができます。様々な専門の先生方とお話をすることで、考え方や物事の捉え方の多様性に触れることができます。
2つ目はプログラムを通じて「己を知る」ということです。自らビジョンを構築し発信していくためには、まずは己を知らないといけません。様々な物事に対峙して、自分の価値観や考えを明確にすること。この過程を経て、初めて良い問い(ビジョン)を発することができます。先生方や参加者との対話を通して、自らの考え方の差分を知り解明することで、己を見つめ直す姿勢を学ぶことができました。
最後に、変革を起こし巻き込むために、皆の価値観をアップデートしていくことです。多くの先生方がおっしゃっていましたが、これは先人たちも歴史的に行ってきたことで、問いを立て社会を良い方向に変革していく価値と重要性を感じました。
この3つの学びを通じ自分のリーダーシップ力を高めることで、仕事はもちろん、自らの人生も良い方向にリードできると思います。
粟野 それでは、これから受講される方へメッセージをお願いします。
受講生 先ほども述べましたが、「本物」の先生方とリアルに対峙できるという貴重な時間を楽しまれたら思います。例えばビデオ等を見て、同じ知識を吸収することはできますが、直接お会いして生の声を聞くということ体験は全然違います。また、同期の受講生という仲間との対話も楽しんでほしい。自分とは異なる価値観、キャリア、年齢の方々と真剣に話すことによって新しい考え方に触れ、たくさんの気づきが得られます。また、この過程でいちばん大切な自らを知る事ができます。一定の年齢や役所になると初めは鎧を着て構えてしまいがちです。早く仲間と仲良くなって、何を話しても良い心理的安全性の確保と自己開示をして、みんなでこの場を作っていくんだという共有が大事だと思います。
この二つがELPプログラムの肝だと思うので、一緒に作っていく姿勢を大切に受講していただけたければ最高の体験が約束されます。
粟野 どうもありがとうございました。