第8期 受講生インタビュー〈1〉 | 京都大学ELP
京都大学エグゼクティブリーダーシッププログラム

第8期 受講生インタビュー〈1〉

2023年7月8日

農業機器メーカー 課長

 

粟野:特に印象に残った講義を教えてください。

受講生:3つあるのですが、まずは芦名定道先生。芦名先生の講義のテーマは「キリスト教と人権」でした。人権について、西洋では異文化との接触や衝突を経て獲得されてきたという歴史を知り、翻って接触や衝突の機会が少ない日本においては、日本らしさ、国のあり方、人権について説明したり対外的に定義したりすることを疎かにしたまま進んできてしまったのではないか、特に戦後ではその様相が強かったのではないかということを気づきとして得ました。

2つめは神谷之康先生の講義です。脳と身体とその関係性の中で宿る心や感情についてのお話しがあり、人体や人間を考える新しい観点を教えていただきました。橋本幸士先生の講義では物的な面が重視されたり、一方での宗教の講義があったりしましたが、これらはすべて繋がっているのだと気づいて、非常に面白く感じました。

山本淳子先生の講義も印象に残りました。教科書を読んで実は泣いてしまったんです。彰子が覚醒していって、最後に父親の道長に対して意見を言って、そこまで行くんだなって。現代人と比較した時に、例えば自分が 一条天皇の定子とか、彰子と同じ10代や20代の時に、あんなに物を考えていただろうか、世の中のことをわかっていただろうか、その違いはどこから来るのか、そこに疑問を持ちました。
レポートをまとめる中で、寿命が短かった時代に、限られた時間を一生懸命に生きるために、ものを考えたり、五感をフルに活用していたのだということに気付きがあり、その姿勢に学ぶべきだと思いました。真面目に生きないといけないなと改めて認識させてくださったので、印象に残っています。

受講生インタビュー

粟野:それではELPプログラム全体の印象はいかがでしょうか。

受講生:素晴らしい、というのが第一印象です。私の中で特に画期的で素晴らしいと思った点は、講義中に問いを立てた後に、「あなたはどう思うのか」ということを聞かれないところです。会社や日常生活の中でも、何かを尋ねると「それならあなたはどう思う」とオウム返しに聞かれることがある。その答えを用意せずに質問してよいというところが、安全だなと最初に思いました。

日常的には、個人の関心、企業人としての関心、本質を問う関心とを切り分けて考えているのですが、ELPという場ではごちゃごちゃにして考えて、よくわからないままでも許されるという感覚があって、そこもまた安全だなと思えました。
プログラムは本当に楽しかった一方で過酷だったなと思います。事前に教科書を読んでまず知識を入れて、それから講義受けて、問いを立てる。それを踏まえて得た学びをまたレポートに言語化するという過程。 自分が全く馴染みのないような分野を、その第一人者の方から、 週に2コマ、12週連続で講義を受けられるというのは貴重な経験です。日常業務を続けながらなので大変なのですが、何か得なければおかしいよなっていう感じはしますね。やっただけの効果は絶対あると思います。

粟野:ご自身のお仕事やこれからのキャリア、ご自身の人生を含めて、ELPでの学びをどう活かせるでしょうか。

受講生:各講義は専門的な内容ですし、数時間教えていただいただけですので、それをそのまま活かすということは難しいと思います。しかしながら講義の中から抽出した物事に対する心構え、問い、考え方は普遍的なものなので、キャリアや今後の人生において絶対に役に立つと思いますし、もうすでに活きているのではないかという気がします。

馴染みのない分野のことも、自分には関係のないことだと思わずに、「我がこと」として考えることが自然にできるようになった、そこは大きいですよね。

学びを活かせているかどうか、結局は人が判断することだと私は思っていて、会社や家族から役に立っていると思ってもらえれば、活かせたことになると思います。この機会を与えてくれた会社にはとても感謝していて、真面目にやらなければと思いました。

粟野:それでは最後に、これから参加される方にぜひメッセージをお願いします。

受講生:私がELPを受講する中で心がけていたことは、自分はまだまだ未熟なのだということを理解して実感しておくことです。自分の考えは一旦横に置いてきちんと講義を聴くことが大事だと思っています。
講師の意見が違うのではないかと思う時にも、グループワークやディスカッションを通じて、いいなと思える考えが出てきます。最後まで聞いてみないと、シャットアウトしてしまってはダメだと感じました。
私はELPを受講するにあたって、全ての講義を一期一会で捉え、学び尽くしたいと思って受講しました。事前準備でも事後のレポートでも言語化を怠らないように、後悔を残さずにできたと思います。

粟野:どうもありがとうございました。

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