2022年12月3日
メーカー 課長
粟野 特に印象に残った講義を教えてください。
受講生 それぞれにインパクトのある内容で気付きもあり、どれか1つと言うととても難しいのですが、全体を通底する普遍的なテーマ、すべてを包含しているという意味で、塩瀬隆之先生の「問いのデザイン」の講義が一番印象に残りました。
企業に入って20年以上になりますが、問うということは非効率なものと、ある意味打算的な認識があったんです。そもそも問わなくても答えがわかれば、直線距離で効率的だというような。ビジネスの世界では、効率性 が重視されています。いかに早くアウトプットを出すかというスピード勝負の要素が今は強いので、問うている暇があるなら、より近道で結論に行った方がいいと思っていました。しかし、考えを深める上ではやはり「問い」が大事で、最終的にはより本質に近づくプロセスだということに気づかされました。
粟野 ELP全体の印象はいかがでしょうか。
受講生 非常に満足しています。学びの本質は、自分とは何者かを知ることだと、まざまざと知らされた3ヶ月でした。自分とは何者か、これもひとつの問いですが、これはどちらかというと稚拙な問いなのではないかという諦念めいた思いも抱えていました。学生時代の自分探しに近いんじゃないかと。自分探しは就職までに終えていて、そこから先は目の前の仕事をしっかりやっていけば道は見えてくるという認識がありました。しかし、そうではない。自分とは何者かを知るということは崇高な、永遠の問いであって、 決してどこかのタイミングでぷつんと切れるものでもない、無限なんだということをELPに参加してつくづく思い知らされました。
粟野 ありがとうございます。今のお話しに関わる部分もあると思うのですが、ELPでの学びをどのようにご自身のキャリアに活かせるでしょうか。
受講生 渡邉大先生の「脳のネットワーク」の講義において、合理的推論が不確実な環境に置かれると、認知バイアス によって直感主導の意思決定に変わるというお話があったのですが、合理的推論の部分が幅広くあればあるほど、直感の精度は上がると思うんですね。そのことをリーダーというところに落とし込むと、洗練された直感は説得力が違うだろうなということを感じています。私が経営者になるかどうかはわかりませんが、経営者がELPで学ぶことの意義はそこにあるのだと思うので、 すぐ活かすかというよりは、今後も自分の軸足からは遠い分野の学問、 普段であれば、書店で手に取ることがないような本も、努めて触れてかなければならないと思います。学び方について、これからも生かしていきたいですね。
粟野 ありがとうございます。それでは最後にこれから参加する受講生にメッセージをお願いします。
受講生 講義を聴いただけで内容がすべてわかるかと言えばそうではないし、わからなくていいと思っています。私はしっかりレポートで向き合う中で、新たな問いを自分で設定したり、新たな気付きを得たりしました。自問自答しながらレポートに向き合う数日間というのは、非常に重要だと思います。
講義を受けて、レポートに向き合う。そういうプロセスの中で気づきや学びがあると思うので、そのような俯瞰した目線で捉えながらELPに参加してもらえれば、非常に有義な3ヶ月になると思います。激烈推奨します。