ELPs受講生Interview 2015年12月12日
コンサル 代表取締役社長
粟野 ELPで印象に残ったプログラムを教えてください。
受講生 どの先生も素晴らしかったのですが、特に松本紘先生の講義が新鮮でとても印象に残っています。これまでの授業で科学や医療の最先端の話を聞いて、その素晴らしさと、反面その限界を学び、正直、頭の中が混乱していました。その中で松本先生には地球がどのぐらい持つのか、そこで何を考えるべきなのかという大きな視点からお話しいただきました。これまで学んだことが統合され、まさに先見性を持ち、視野を拡大するにふさわしい授業だったように思います。
粟野 経営者の視点からの話もありました。Oさんもご質問されていましたね。
受講生 先生は「学問とは人間関係である」とおっしゃっていました。経営の考え方にも通じるところがあります。また先生のお話を伺って、なるほど総合生存学とはそういうことか、人類が生き残るための学問なのかということがよくわかりました。
粟野 全体のプログラムを通じて得られた学びやご経験を教えていただけますか。
受講生 科学の最先端にいる先生が、30年先を見据えて世界的な視野で語ってくださる。その中で自分は何をなすべきかを考えることができたことは大きかったです。普段は目先のことしか見えていないですよね。長くて5年先くらい。しかも住んでいる東京とか日本くらいしか考えてないところを、スケールの大きな視点から話を聞いて、自分自身の立ち位置を考えることができる。そうすると日々の小さなことに惑わされず、先を見て今何をなすべきかという大きな視点で考えることができる。闇雲に突っ走るのではなく、ぶれながらでも進んで行ける自信ができました。
私は現在、仕事では職場における人間関係や心の分野を扱っています。ELPの講義を聴いて、科学も最終的には、人としてどう生きるのかという心の問題に戻っていくように感じました。だから私が今まで考えてきたことを、今後もきちっとやっていけばいいと確信できました。
粟野 Oさんは、入学当初から、女性の活躍の場を増やすお話をよくされていましたね。ELPを通して活かせる何かを得る事はできましたか。
受講生 研究の分野も専門化が進んで、全体をマネジメントできる人が少ないという話がありました。私は、そういう専門分野こそ女性がマネジメントすればいいのかなと思いました。それも発見です。これは企業におきかえてみると、たとえ理系の女性がいなくても研究所や開発部門で女性が活躍する場があると思いました。
粟野 講義でなかなか質問が出ない時、岡田さんにとっては専門外のことでも、いつも最初に質問をされて、場を和らげ活性化していくところを何度も見ました。専門外でもそういうことができるのですね。
受講生 私は「女性が経営に参画していくためにどのような力を身につけたらいいか」ということを考えています。そのため今回のような難しい授業でも、参画していこう、わからないことはわからないままにしないで質問してみることを心がけました。
粟野 実はそれで周りの人も助けられていると思っています。専門的なことは難解なところも多いですし、そんな時に聞きたいところをストレートに質問してくださるのはありがたいことです。
受講生 会議でも何の質問も出ないところが多いですよね。それでしゃんしゃんってなる。そんな時にちゃんと質問できることが重要です。それが今まで見えなかった部分に光をあてることになり、組織にイノベーションを生む原動力となる、また健全な経営へとつながると思っています。私は女性の社外取締役を育成したいと思っていますが、ELPでの学びはとても役立ちます。世界レベルの第一線の先生に質問できるでしょう。これはすごく自信になります。
粟野 まさにELPが女性のリーダーを育成する場になっているということですね。
受講生 リーダーといえば、茶道の千玄室大宗匠、書道の杭迫柏樹先生には感動しました。リーダーシップというものは、理屈ではなくて自分自身で体得したもの、それが道とか哲学とかいうのでしょうか。そこからにじみ出てくるものだと実感しました。リーダーにはあのようなカリスマ性が必要だと思います。そのエネルギーをじかに感じ取れたことは非常に価値ある経験でした。今、女性にとって良いロールモデルがいないといわれていますが、組織にあの先生方のような方がいたらきっと良いモデルになりますね。仕事をしながらも魅力的に生きているという、そういう生き方がモデルになるのではないでしょうか。知識は世の中にあふれているので、知識があればいいリーダーというわけじゃない。人としての魅力、カリスマ性ですよね。それを養成するためにこの京都という文化・哲学の中心の地で行うELPはバランスが取れていると思います。
粟野 貴重なお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。これからもどうぞ宜しくお願い致します。